植物生産科学カリキュラムの専攻必修科目である植物病原微生物学と植物病理学実験を担当している。植物病原微生物学では植物病原菌について、分類、形態、生理、遺伝および生態の各分野から解説している。植物病理学実験では、植物に発生する各種の病害とそれを引き起こす病原体の観察をとおして、植物病害に対する理解を深めると共に病害の診断・同定・防除法等の応用力を養うことを目指している。研究では以下のテーマに取り組んでいる。①多犯性植物病原菌の病原性発現機構に関する研究:植物菌類病の中で、灰色かび病など多くの種類の作物に発生の見られる多犯性病害については、抵抗性品種の導入が困難なことから殺菌剤による防除に依存している。このことは安全性の高い選択性薬剤の普及と相俟って薬剤耐性菌の出現を助長し、病害防除における深刻な問題を引き起こしている。そのため、病原性発現機構を病原菌と植物の両側面から解析し、得られた知見を新たな防除技術の開発に利用することを目指している。②植物病害のバイトコントロールに関する研究:環境負荷の少ない安全かつ持続的な防除技術の確立を目標として、その基礎となる研究を行っている。
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