茨城大学
農学部
食生命科学科

教授

宮口 右二

ミヤグチ ユウジ
MIYAGUSHI Yuji

経歴

  1. 教授 2015/10-現在

学歴

  1. 茨城大学 農学部 畜産学科 1989 卒業
  2. 茨城大学 農学研究科 畜産学 修士 1991 修了

学位

  1. 博士(農学) 九州大学

教育・研究活動状況

私どもの研究室では、畜産物の加工特性の解明および品質改善に関する以下のような研究を行っている。
1. 畜産物の理化学的性状および機能性の解明並びに畜産製品の加工保蔵技術に関する研究
 畜産物(乳、肉、卵)は保存性あるいは嗜好性を高めるために加工される。一方で、食の安全と安心が叫ばれており、畜産食品においても、同様のことが求められている。そこで本研究室では、食塩あるいは食品添加物の使用をできるかぎり抑えた畜産食品の加工技術に関する研究を行っている。とくに、ハムやソーセージなどの食肉製品では、食品添加物の使用は敬遠される傾向にあることから、食肉タンパク質の保水性やテクスチャーに関して再検討を行っている。これまでのところ、筋細胞の筋小胞体に存在する解糖系酵素の一つが筋原線維タンパク質と相互作用を示し、保水性の増大並びにテクスチャーの改善効果を示すことが明らかとなっており、現在、その作用機序とその応用に関して検討中である。
2. 畜産副生物および各種動物由来の未利用資源の高度利用化に関する研究
 畜産物の生産に伴って生じる副生物(内臓類、血液、骨、毛、皮など)は、一部、生活用品、医療用品あるいは医薬品、食品、飼料用に利用される場合があるが、多くは付加価値が低いものとして、利用されないことがある。そのような未利用性の動物タンパク質資源(心筋あるいは血液、廃繭、採卵廃鶏など)の高度利用に関する研究を行っている。
3. 高品質な畜産物の生産に関する研究
安全安心できる畜産物の供給が望まれているとともに、昨今は従来よりも付加価値の高い畜産物の生産が望まれている。これまで、機能性成分として知られるβカロチンを強化した飼料を産卵鶏に給餌させることで、高含有のβカロチン卵の開発を行ってきた。また、納豆あるいは納豆菌、野菜残渣等を配合して設計された飼料給餌により、安全性が高く高機能性を持ち合わせた卵あるいは鶏肉の生産技術に関する研究も行っている。その他に、畜産物の生理活性機能や天然抗菌物質の検索を行っている。また、食品の非破壊計測に関する基礎的な研究も行っている。

研究分野

  1. 畜産物の有効利用
  2. 動物生産科学

研究キーワード

  1. 畜産物利用,食肉,卵,脂質代謝,コラーゲン

研究テーマ

  1. 耐熱性好酸菌による魚残さの発酵および発酵物の飼料特性に関する研究 未利用資源の有効活用を目的に、耐熱性好酸菌による魚残さの発酵物の養豚用飼料化について検討している。 2014/09-現在
  2. 和牛の肉質評価に関する研究 茨城県銘柄牛の常陸牛をモデルとして、格付評価と理化学的性状との相関性を評価するとともに、理化学的性状に及ぼす生産方法の影響について研究している。 2008-現在
  3. 豚筋漿タンパク質の筋原線維タンパク質のゲル化促進に関する研究 リン酸塩や食塩などの添加物を極力減らした無添加ソーセージの開発を目指し、食肉中の筋漿タンパク質由来のリン酸塩様の物質の作用機序の解明を行っている 2002-2014
  4. 高品質な畜産物とくに低コレステロール卵の生産に関する研究 発酵飼料による低コレステロール卵の生産のメカニズムを検討している. 2004-2014
  5. シルクタンパク質の食品素材としての利用に関する研究 廃繭の有効利用を目指し、シルクフィブロインの食品用ゲル化剤およびフィルムの開発を行っている。 1999-2012
  6. ヤーコン由来の成分の加工特性並びに機能性に関する研究 ヤーコン塊根には、フルクトオリゴ糖が豊富に含まれているが、その食品素材としての加工特性や健康効果(免疫機能など)がわかっていないことから、これらを明らかにする。 2009-2014
  7. グロビンペプチドの血圧降下作用に関する研究 グロビンの有効利用を目指し、血圧降下作用を有するペプチドの開発を行っている。 2005-2010

共同・受託研究希望テーマ

  1. 新規食品素材の研究・開発 産学連携等、民間を含む他機関等との共同研究を希望 受託研究
  2. 食肉および筋肉中の機能性物質の探索 大学等の研究機関との共同研究を希望

著書

  1. 管理栄養士養成課程『栄養管理と生命科学シリーズ』食品の科学各論 川上美智子・西川陽子編著 肉類 理工図書 2016/12/11 978-4-8446-0854-7 管理栄養士養成課程における食品科学の各品目について解説したもので、肉類全般を担当している。
  2. 食品と開発Vol.45 No.5・フラクトオリゴ糖の豊富なヤーコンを用いた加工品の開発  宮口右二  UBMメディア 2010 ヤーコン塊根の加工利用特性とその食品素材としての可能性について述べている
  3. 食肉用語事典 宮口右二・他112名 株式会社 食肉通信社 2010/03/30 978-4-87988-113-7 食肉を科学する上で必要な最新の専門用語3000語以上を網羅した信頼できる事典である。
  4. 最新農業技術 畜産 vol.1 農村漁村文化協会編 2008/10/20 納豆残渣の乾燥粉末添加でグルタミン酸強化と鶏卵の低コレステロール化
  5. 農業技術大系 畜産編 追録27号 2008/08/20 納豆残さの乾燥粉末による低コレステロール卵およびうま味成分の増大した鶏肉の開発に関する技術報告

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 Evaluation of the thermal property of bovine intramuscular adipose tissue using differential scanning calorimetry Kimura, N., Nishimura, N., Iwama, N., Aihara, Y., Ogawa, Y., Miyaguchi, Y. Animal Science Journal 88/ 10, 1615-1622 2017/10/01 牛肉の食感はサシの融点が影響すると考えられている。従来の上昇融点法は脂肪の融点を測定する上で有用な方法と考えられてきた。しかし、本研究で実施したDSC法による分析で、より正確に牛肉の舌触りを評価できる可能性が示された。
  2. 研究論文(学術雑誌) 共著 Reuse of expired natto (fermented soybeans) as an animal Feed Miyaguchi, Y., Nishino, K. and Ogawa, Y. Journal of Developments in Sustainable Agriculture 11/ 1, 23-30 2016/03 未利用の納豆を飼料化する研究である。本実験では、納豆の成分を水溶性と不溶性に溶媒で分離し、各画分を鶏に給与し、卵のコレステロール低下能を調べたところ、不溶性画分にその効果のあることがわかった。
  3. 研究論文(大学,研究機関紀要) 独り暮らし大学生の食生活行動―茨城大学農学部と茨城県立医療大学の学生協働による地域貢献活動アンケートより― 海山宏之・綾部明江・鶴見三千子・西出弘美・本村美和・長澤ゆかり・山川百合子・岩本浩二・中村 勇・佐藤 斉・宮口右二・沼口知恵子・山口 忍 茨城県立医療大学紀要 21, 41-49 2016/03 茨城県阿見町の2つの大学(茨城大学農学部および茨城県立医療大学)で実施した大学生の食生活のアンケート調査研究をまとめたもので、独り暮らしの大学生と自宅から通学する学生の食生活の違いを示すことが本研究より明らかとなった。
  4. 研究論文(学術雑誌) 共著 Effect of yacon tuber (Smallanthus sonchifolius)-derived fructooligosaccharides on intestinal flora and immune system of OVA-sensitized BALB/c mice Miyaguchi Y., Tomatsuri T., Toyoda A., Inoue E., Ogawa Y. Food Science and Technology Research 21/ 2, 255-262 2015/02/01 ヤーコンは南米アンデス地方原産の野菜で、フルクトオリゴ糖を豊富に含んでおり、その機能性が期待されているが、十分な健康機能は知られていないことから本研究を行った。この本結果より、ヤーコン由来のフルクトオリゴ糖にはマウスの免役機能を調整し、とくに卵白によるアレルギー症状の低減(へルパーT2型へのシフトを低減させる)につながる可能性が示された。
  5. 研究論文(学術雑誌) 共著 Polarization of helper T cells towards the type 2 phenotype in chickens fed dried natto (fermented soybeans): splenic cytokine and hepatic cyclooxygenase expressioncharacteristics assessed by a trained sensory panel. Seo Y.,Sudo M., Toda N., Ogawa Y., Miyaguchi Y. Japanese Journal of Animal Hygiene 40/ 4, 193-201 2015/02/01 本実験では乾燥納豆を採卵鶏に給与し、脾臓中のヘルパーT細胞に及ぼすサイトカインの遺伝子発現量および肝臓シクロオキシゲナーゼ(COX)の遺伝子発現量を調べた。その結果、乾燥納豆の給与は脾臓のIL-2およびIL-4の遺伝子発現量に影響を及ぼし2型に表現型へ偏向することが明らかとなった。

研究発表

  1. 口頭発表(一般) 和牛肉の呈味関連成分およびテクスチャーに及ぼす熟成期間の影響 日本畜産学会大会第124回大会 2018/03/29
  2. 口頭発表(一般) Alicyclobacillus sendaiensisで発酵させた魚アラの給与が豚肉の品質に及ぼす影響 日本畜産学会大会第123回大会 2018/03/29
  3. 口頭発表(一般) 好熱性好酸性菌で発酵した魚アラの長期給与が豚肉の品質に及ぼす影響 日本畜産学会大会第124回大会 2017/09/06
  4. 口頭発表(一般) 和牛および乳牛のロース肉中の呈味成分に及ぼす加熱調理の影響 日本畜産学会大会第122回大会 2017/03/29
  5. 口頭発表(一般) ブタ筋原線維の物性に及ぼす加水分解プロタミンの影響 日本畜産学会大会第122回大会 2017/03/29

知的財産権

  1. 特許 食肉加工品処理用組成物及びそれを用いる食肉加工品の製造法 2003-270952 2005-21140
  2. 特許 ソーセージ用ケーシングの製造法 2003-035179 2004-242569
  3. 特許 ヤーコンシロップの製造方法及び該製造方法によって得られるヤーコンシロップ 2011-7006 2011/01/17

受賞

  1. 第2回伊藤記念財団賞 筋漿タンパク質による筋原線維加熱ゲル化促進作用に関する研究 2017/06/14

担当授業科目

  1. 畜産物科学
  2. 動物生化学
  3. 有用物質と生命
  4. 動物科学総論
  5. 科学リテラシー

所属学協会

  1. 日本畜産学会
  2. 日本食品科学工学会
  3. 日本農芸化学会
  4. 日本食肉研究会

委員歴

  1. 日本畜産学会 常務理事 2009/04/09-2013/03/31
  2. 日本食肉研究会 編集幹事 2007-現在