茨城大学
理工学研究科(理学野)
地球環境科学領域

顔写真
教授

安藤 寿男

アンドウ ヒサオ
ANDO Hisao

その他の所属・職名

  1. 理工学研究科(理学野) 地球環境科学領域 教授

経歴

  1. 早稲田大学教育学部助手 1985/04-1988/03
  2. 日本学術振興会特別研究員 1988/04-1990/03
  3. 茨城大学理学部助手 1992/03-1993/03
  4. 茨城大学理学部助教授 1993/04-2007/03/31
  5. 茨城大学理学部教授 2007/04/01-現在

学歴

  1. 東京大学大学院 理学系研究科 地質学専攻 博士後期 1985/05 修了

学位

  1. 理学博士 東京大学 1985/05

教育・研究活動状況

北海道白亜系地質調査 北海道白亜系地質見学
北海道白亜系地質調査 北海道白亜系地質見学
茨城五浦海岸サメ化石 大子町中新世足跡化石
茨城五浦海岸サメ化石 大子町中新世足跡化石

・フィールドや露頭・標本や試料など,自然のものを対象として,観察眼や考察力をとぎすます教育
・地層や化石から読みとる過去の地球環境やその変遷,生物の進化や生態系の変遷についての研究
<< 教育 >> 古生物学,地質学,堆積学を基礎にした,野外地球科学系の教育を行っている。古生態進化学特講では,地球46億年の地球生命史を通史として講義している。
<< 研究の視点 >>
(1) 異なる地域・時代の浅海層から堆積環境・堆積過程・堆積様式・堆積サイクルを見いだす.(2) 化石の形態進化・古生態を高解像度で復元する.(3) 化石層の形成過程(タフォノミー)と堆積サイクルとの関係を探る.
<< 現在の主な研究テーマ >>
(1) 東北日本白亜系~古第三系の浅海堆積相とシーケンス層序:化石は多くの場合浅海の地層に産するので,その地層の形成過程や堆積環境を推定することによって,化石生物の生息環境,ひいては過去の地球環境の変遷を知ることができる。北海道から東北地方の太平洋側に分布する後期白亜紀~古第三紀の地層の層序(地層の積み重なり)や堆積相を調べ,ユーラシアプレート北東縁にあった蝦夷前弧堆積盆の地史や当時の地球環境変動を復元することを目指している。
(2) 中生代軟体動物化石の系統分類と古生態:たくさんの化石分類群の中でも素材が得やすい中生代の軟体動物化石を中心にして,その分類・古生態・進化を研究している。特に北海道の白亜紀層から多産する浅海生二枚貝群集や,アンモナイト類やイノセラムス類(二枚貝)などを扱っている。恐竜が生息していた時代の浅い海にどんな生態系があったのかを考えるのはロマンがある。
(3) 茨城県南部第四系の堆積相と化石相:利根川以北の常陸台地には数10万年前以降の周期性をもった内湾〜浅海性の砂泥層が広く分布し,台地の基盤を構成する。これらは氷河性海水準変動に支配されて形成されており,特に最終間氷期(約12.5万年前)には古東京湾の浅海が広がった。この地層は様々な堆積構造や化石が含まれ,地質学的に精度の高い地球環境変遷史を編むことができる。水戸から近く足場の良いフィールドとして研究を進めている。
(4) 茨城県北部〜福島県南部の第三系の堆積相と化石相:福島県南部から茨城県北部の太平洋岸には第三紀の前弧堆積盆を埋積した堆積物が広く分布し,石炭層や化石を多産することで広く知られている。多様な堆積相の第三系漸新統〜鮮新統の地層が単純な構造で累重しているが,その形成史はかなり複雑である。水戸から近く足場の良いフィールドとして地域研究を進めている。

研究分野

  1. 地質学
  2. 層位・古生物学

研究キーワード

  1. 軟体動物化石,タフォノミー,系統分類,化石相,堆積相解析,シーケンス層序,堆積史,白亜系,第三系,第四系,東北日本,北海道,茨城県,福島県,蝦夷前弧堆積盆,常磐堆積盆,新第三紀棚倉堆積盆の足跡化石群,モンゴル南部ゴビ砂漠の白亜紀前期湖沼堆積物,北米東海岸陸棚下の新生界のシーケンス層序,始新世〜中新世の海水準変動,古環境解析

研究テーマ

  1. 中生代軟体動物化石の分類・古生態・進化 中生代の軟体動物化石を中心にして,その分類・古生態・進化を研究している.特に北海道の蝦夷層群より産する白亜紀浅海生化石二枚貝類や,アンモナイト類などを扱っている.(1)化石密集層のタフォノミー解析からその形成過程,(2)群集解析や産状観察による古生態復元,(3)浅海底生生態系の時代変遷(4)化石分類に基づく系統進化を研究している. 1980-現在
  2. 東北日本の蝦夷前弧堆積盆における白亜系-古第三系のシーケンス層序学と堆積盆解析 東北日本の北海道中軸部から常磐沖にかけて分布する,蝦夷前弧堆積盆に白亜系-古第三系について,その堆積相層序やシーケンス層序を広域対比し堆積盆の形成過程や埋積過程を解析している. 1986-現在
  3. 茨城県北部〜福島県南部常磐堆積盆における新生界の堆積相・シーケンス層序・化石相 福島県南部から茨城県北部にかけて分布する常磐堆積盆の新生界について堆積相層序・シーケンス層序・化石相の解析を通して堆積史を復元する. 1992-現在
  4. 茨城県中南部の第四系の堆積相・シーケンス層序・化石相 茨城県中南部に広がる第四系下総層群について,堆積相・シーケンス層序・化石相の解析から堆積史を復元する. 1993/04-現在
  5. 汽水生二枚貝カキ類の中生代後期以降の進化と古生態 白亜紀から現在に至る汽水域にしばしば発達する二枚貝カキ類の生物礁を対象に,カキ類の進化や古生態変遷,そしてカキ礁の発達様式や海面変動との関係をモデル化する 2001/04-現在
  6. 三陸-常盤沖海底掘削による白亜紀〜第三紀の地球環境変動の復元 三陸-常盤沖のIODPによる海底掘削計画の提案を行い,白亜紀〜第三紀の地球環境変動の高精度復元をめざす. 2001-2004/12
  7. 茨城県北部棚倉堆積盆の新第三紀中新世の足跡化石群 茨城県北部大子町に分布する,新第三系中新統の河川成相から産した大型哺乳類および鳥類の足跡化石群から,棚倉堆積盆の大型動物化石相の実態や古生態を解明する. 2005/03-2011/03
  8. 霞ヶ浦沿岸花室川流域の旧石器時代の哺乳類化石群集の起源 霞ヶ浦に流下する花室川の河床に僅かに残されている更新世末期(3.5~2万年)の河川堆積物から産出する大型哺乳類化石(ナウマンゾウ,シカ,アシカなど)の起源について,堆積学的な検討を行った 2008/04/01-2013/03/31
  9. 白亜紀中期における陸域湿潤化:温室地球システム解明に向けたモンゴル白亜系調査 モンゴルの下部白亜系の湖成層に注目し,これらが「OAE1a時の海洋表層生物生産と有機炭素埋積率の増大を引き起こす陸域湿潤化と化学風化度増大の直接証拠」との作業仮説の検証を行う.1)アプチアン階下部の陸成層(Shinekhdag層とKhukhteg層)を詳細に地質調査し,堆積相解析やシーケンス層序から堆積環境の変遷を明らかにする.2)採取した連続柱状試料から,有機炭素の炭素同位体比(δ13Corg)変動曲線を求め,日本や欧州から報告されているOAE1a時の炭素同位体変動曲線と比較し層序対比を行う.3)有機・無機化学分析により,化学風化度の変遷を詳細に復元する.4)調査分析結果を総括し,OAE1a時の陸域環境変動の変遷が,海洋の有機炭素埋積にどのようにリンクしていたのかを復元する. 2009/04-現在
  10. 北米東海岸陸棚下の新生界のシーケンス層序と始新世〜中新世の海水準変動 統合国際深海掘削計画Exp.313「北米東海岸ニュージャージー沖大陸棚での浅海掘削」の堆積物試料を用いて,始新世〜中新世の海水準変動と堆積層構造との相関を解明する. 2009/05-2014/03/31

著書

  1. 地球46億年の旅 安藤寿男 朝日新聞出版 2014/02/09 週刊百科「地球46億年の旅」全50号の編集顧問及び監修,共同執筆
  2. 日本地方地質誌1.北海道地方 日本地質学会編 朝倉書店 2010/11 978-4-254-16781-8
  3. 古生物学事典 第2版 日本古生物学会編 朝倉書店 2010/06/10
  4. 堆積学辞典 朝倉書店 1998/11 堆積学研究会編による事典(470p.)で17項目を担当.
  5. 日曜の地学8. 茨城の自然をたずねて 築地書館 1994/02 天野一男編著による茨城県内の地学見学案内書(249p.)で,大洗・那珂湊地域(pp.76-82)を担当.

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 Depositional ages and characteristics of Middle–Upper Jurassic and Lower Cretaceous lacustrine deposits in southeastern Mongolia. Hasegawa H., Ando H., Hasebe N., Ichinnorov N., Ohta T., Hasegawa T., Yamamoto M., Li G., Erdenetsogt, B., Heimhofer U., Murata T., Shinya H., Enerel G., Oyunjargal G., Munkhtsetseg O., Suzuki N., Irino T., Yamamoto K. Island Arc Geological Society of Japan 27/ 2 2018 10.1111/iar.12243 URL
  2. 研究論文(学術雑誌) 共著 Implications of the late Campanian–early Maastrichtian heteromorph-dominated ammonoid assemblages of the Nakaminato Group, central Honshu, Japan. Genya Masukawa and Hisao Ando Cretaceous Research Elsevier 91, 362-381 2018/07 URL
  3. 研究論文(学術雑誌) 共著 Facies architecture of Miocene subaqueous clinothems of the New Jersey passive margin: Results from IODP-ICDP Expedition 313. Jean-Noël Proust, Hugo Pouderoux, Hisao Ando, Stephen P. Hesselbo, David M. Hodgson, Johanna Lofi, Marina Rabineau and Peter J. Sugarman Geosphere Geological Society of America 14/ 4 2018/05 10.1130/GES01545.1 URL
  4. 研究論文(大学,研究機関紀要) 共著 茨城県ひたちなか市の那珂湊層群から産出した白亜紀爬虫類化石 加藤 太一, 国府田 良樹, 安藤 寿男, 薗田 哲平, 増川 玄哉 茨城県自然博物館研究報告 ミュージアムパーク茨城県自然博物館 20, 7-14 2017/12 1343-8921 URL 茨城県ひたちなか市の太平洋岸に分布する上部白亜系 (カンパニアン~マーストリヒチアン)那珂湊層群上部の磯合層から爬虫類化石3点が産出した. 1: 翼竜類の肩甲骨は太く短い形状からオルニトケイルス上科であると判断されニクトサウルス科の特徴を示す. 同時代からのニクトサウルス科の産出はこれまでアジアからは報告されていないため, 翼竜類の白亜紀末の分布や多様性を考える上で重要である. 2: モササウルス類の椎体は前後長が約2cmの小さな基部尾椎であり, 未成熟個体もしくは小型のモササウルス類と考えられる. 堆積相や無脊椎動物相などで類似が指摘されてきた那珂湊層群と和泉層群において, 高次の海棲捕食動物相についても類似している. 3: カメ類化石の背甲はスッポン科の左第8肋板で, 甲長約80cmもの大型個体のものである. スッポン科は海水域の動物ではないため, 土石流などによって運搬されたことが示唆される.
  5. 研究論文(学術雑誌) 共著 白亜紀古日本陸弧-海溝系の復元 : 日本列島の白亜紀地質記録からの再考 安藤 寿男, 高橋 雅紀 化石 日本古生物学会 102, 43-62 2017/09 0022-9202 URL 高橋・安藤(2016)で復元した白亜紀における古日本弧(東北日本弧と西南日本弧が一体となっていた時期)の配置に基づき,既存の資料に基づいて,白亜紀の深成岩類,火山岩類の分布やその特徴を概観する.つづいて,化石等に基づいて推定された堆積岩類の年代層序を整理し,本州から九州にいたる広域対比を試みる.その上で,白亜紀の古日本陸弧−海溝系の基本的枠組みを提案し,あわせて先白亜紀の地体構造論に関する問題点を指摘した.東北日本の東方沖の太平洋海底下には,西南日本外帯秩父帯に散点的ながら広く分布する白亜系前弧堆積盆の地層群に対応する地層が,あまり変形・浸食されずに保存されていることを指摘した.したがって,直接手にとって観察できる西南日本の陸域地質と,直接見ることはできないが,確かに存在している東北日本の海域地質の統合が,白亜紀陸弧-海溝系を紐解く視点といえる.

研究発表

  1. ポスター発表 モンゴル南東部,ゴビ砂漠における湖成堆積物中のジュラ系-下部白亜系カイエビの古生物学的研究 日本地質学会学術大会講演要旨 2011 URL
  2. ポスター発表 下部白亜系手取層群北谷層のスッポン上科カメ類とその意義 日本地質学会学術大会講演要旨 2011 URL
  3. 口頭発表(一般) モンゴルの白亜系湖成層中に見られる堆積リズムの起源:海洋無酸素事変時の陸域環境変動解明に向けて 日本地球化学会年会要旨集 2011 URL 本研究はモンゴルのアプチアン期湖成層(シネフダグ層)を対象に,OAE1a時の陸域環境変動の解明を試みている.シネフダグ湖成層は,頁岩とドロマイトのリズミカルな互層(数10cm,数m,10~20 mサイクル)からなる.本研究では,その堆積メカニズムを解明するため,堆積相解析,鉱物組成分析,有機地球化学分析を行った.C/N比およびロックエバル分析の結果,シネフダグ湖成層の有機物は主に湖内の藻類に由来することが示唆された.またドロマイト層準では藻類やバクテリアが卓越するのに対し,頁岩層準では藻類に加えて湖岸からの高等植物起源有機物の流入も寄与していたことが示唆された.これらの結果と堆積相解析から,シネフダグ湖成層に見られる頁岩とドロマイトのリズミカルな互層(数千年,数万年,数10万年サイクルに相当)は,地球軌道要素の変動に起因した湖水位の変動,すなわち湿潤-乾燥といった気候変動に対応している可能性が示唆された.

芸術活動、建築作品等

  1. その他 共同 モンゴル白亜系湖成層のコア掘削: 数万年精度でのOAE期の陸-海環境リンケージ解明 2013/04/04-現在
  2. その他 共同 白亜紀中期における陸域湿潤化:温室地球システム解明に向けたモンゴル白亜系調査 2009/04/01-2012/03/31

受賞

  1. 日本地質学会研究奨励賞 1991

担当授業科目

  1. 地層学
  2. 古生態学
  3. 基礎地球惑星科学I
  4. 地質学実験
  5. 堆積地質学

所属学協会

  1. 英国古生物学会(Palaeontological Association)
  2. アメリカ古生物学会(Paleontological Society)
  3. 堆積地質学会(SEPM(Society for Sedimentary Geology)
  4. 地球環境史学会 2012/09/01-現在
  5. 日本地球惑星科学連合 2005/01-現在

委員歴

  1. 日本地質学会 執行理事,副常務 2016/05-現在
  2. 日本地質学会 理事 2012/05-現在
  3. 日本地質学会 各賞選考委員会委員 2010/05-2012/04
  4. 日本地質学会 各賞選考委員会委員長 2007/05-2008/04
  5. 日本地質学会 評議員 2006/05-2010/04