茨城大学
名誉教授
(農学部)

顔写真
名誉教授

阿久津 克己

アクツ カツミ
AKUTSU Katsumi

経歴

  1. 日本学術振興会奨励研究員 1978/04-1979/03
  2. 理化学研究所特別研究生 1979/04-1982/03
  3. 茨城大学助手(農学部) 1982/04-1986/03
  4. 茨城大学助教授(農学部) 1986/04-1997/03
  5. 茨城大学教授(農学部) 1997/04-現在
  6. 東京農工大学大学院連合農学研究科教授(併任) 1997/04-現在
  7. 大学教育研究開発センター副センター長(併任) 2000/05-2002/04
  8. 大学教育研究開発センター副センター長(併任) 2004/04-2005/03
  9. 大学教育センターセンター長(併任) 2005/04-2006/08
  10. 評議員(農学部) 2008/04/01-2010/03/31
  11. 評議員・副学部長(農学部) 2010/04/01-2012/03/31

学歴

  1. 東京大学 農学系研究科 植物病理学 博士 1978

学位

  1. 農学博士 東京大学

教育・研究活動状況

 植物の病気を起こす病原は、菌類、細菌、ウイルスなどをあわせると1万種を越え、植物に対して絶え間なく感染を繰り広げている。地球上で、数万種にのぼる植物の病気が知られており、我が国だけでも約6,500種の病気が存在する。植物の病気の70%以上は菌類、つまりカビの感染によって起こされる。植物の病気の発生は、気象条件に大きく左右され低温や日照不足などの悪条件が重なると激発し、今日でも開発途上の地域に飢餓の苦しみを与える。科学立国を自負する日本ですら、冷夏は、いもち病などによるイネの病気を助長し、「平成の米騒動」が勃発したことは記憶に新しい。
 人類は、これまで殺菌剤の開発や抵抗性植物の育成など効果的な防除法を確立・普及させ、植物の病気を最小限に抑えることで、今日の安定した食糧生産体制を築き上げた。しかしながら、これらの防除法に対する過度の依存が、農薬の過剰使用による環境汚染や薬剤耐性菌の出現、栽培品種の画一化による病気の激化など、新たな問題を産み出し、今日その対策に苦慮している。
 このような状況の中、私たちの研究室(植物生体防御学)では、環境負荷の軽減化を念頭においた有効かつ持続的な次世代病害防除を構築するために5つのストラテジーを立て教育研究を進めている。①植物病原菌の薬剤耐性機構を分子レベルで解析し耐性化しにくい薬剤や耐性克服剤等の新薬設計を目指す研究。②遺伝子工学手法を用いて圃場抵抗性を利用した持続型抵抗性植物を作出するとともに、外来遺伝子の発現機構の解析から発現制御型で生態系負荷の小さい次世代組換え植物の創成を目指す研究。③有用なエージェント微生物の探索ならびに有用形質を付加した組換えエージェント作出により安定した植物病害のバイオコントロール技術の開発を目指す研究。④植物病原菌の病原性分子機構を解析しその発現系をターゲットにした非殺菌性の新薬剤設計を目指す研究。⑤植物病原菌の生活環に関する疫学的研究。

研究分野

  1. 植物病理学

研究キーワード

  1. 植物病原菌、灰色かび病、Botrytis cinerea、多犯性、遺伝子組換え、病害抵抗性、バイオコントロール、病原性遺伝子、抵抗性遺伝子、薬剤耐性、シグナル伝達、Gタンパク質、多核性植物病原菌類、有性生殖、子のう胞子、菌核、cAMP、MAPキナーゼカスケード、環境応答、形態形成、病害防除

研究テーマ

  1. 灰色かび病菌の薬剤耐性機構に関する分子解析 1982-現在
  2. キチナーゼ活性微生物による植物菌類病のバイオコントロール 1989-現在
  3. 溶菌酵素遺伝子導入による菌類病抵抗性植物の作出とその機構解析 1990-現在
  4. 灰色かび病菌の有性生殖分子機構に関する研究 2000-現在
  5. チューリップのBotrytis病に関する疫学的研究 2001-現在
  6. 灰色かび病菌の病原性機構に関する研究 灰色かび病菌が有する多種の植物に病気を起こす病原性(多犯性)機構を遺伝子レベルで解析する。 2005/04-2009/03
  7. 宿主特異的Botrytis属菌の病原性発現機構の解析 2008/04-現在
  8. 納豆菌を用いた植物病害防除法の開発に関する研究 2010/04-現在
  9. コンポスト分離細菌および植物根部内生菌を用いた植物土壌病害の防除法の開発に関する研究 2010/04-現在
  10. L-メチオニンによる植物病害防除とその作用メカニズムに関する研究 2015/04-現在

共同・受託研究希望テーマ

  1. 組換え微生物および植物を用いたバイオリメディエーション 産学連携等、民間を含む他機関等との共同研究を希望 受託研究,共同研究
  2. バイテク技術を用いた病害抵抗性植物の創成 産学連携等、民間を含む他機関等との共同研究を希望 受託研究

競争的資金等の研究課題

  1. 灰色かび病菌における多犯性発現の分子機構の解明 科研費 基盤研究(B)一般 科研費 2005/04/01-2009/03/01
  2. 多犯性植物病原菌類による抵抗性打破の分子機構の解明 科研費 基盤研究(B)一般 科研費 2002/04/01-2005/03/31
  3. 多犯性植物病原菌類の侵入器官分化とその環境応答分子機構 科研費 特定領域研究(公募) 科研費 2000/04/01-2004/03/31
  4. 植物病原菌類の感染器官分化の分子制御機構の解析 科研費 基盤研究(B)一般 科研費 1999/04/01-2002/03/31
  5. 遺伝子組換え及びクローン技術による画期的な動植物の開発 科研費以外 受託研究費 農水省農業生物資源研究所 受託研究費 1999/04/01-2000/03/31

著書

  1. 微生物と植物の相互作用:病害の生物防除 沼田慎一、阿久津克己 ソフトサイエンス社 2009/03
  2. Biocontrol of plant diseases by genetically modified microorganisms:current status and future prospects N. Someya and K. Akutsu Springer 2005
  3. キチナーゼ活性細菌Serratia marcescensを利用した植物菌類病のバイオコントロール 阿久津克己 全国農村教育協会 2003
  4. 植物病害虫の事典 阿久津克己 朝倉書店 2001/01
  5. キチン分解酵素(遺伝子)を用いた植物病害の防除戦略 「植物病害防除戦略としての感染生理学」 阿久津克己 植物病害防除戦略としての感染生理学 1997

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 L-メチオニンはトマト植物に対して萎凋病抵抗性を誘導する 齊藤まどか、中島雅己、有江力、阿久津克己 日本植物病理学会報 日本植物病理学会 83, 3-9 2017
  2. 研究論文(学術雑誌) 共著 ソルガム根圏から分離されたBacillus属細菌のトマト青枯病菌および萎凋病菌に対する抗菌活性 外山耕・山腰剛司・中島雅己・阿久津克己 茨城県病害虫研究会 55, 24-30 2016/03/06 0386-2739
  3. 研究論文(学術雑誌) 共著 Biological Control of Fusarium Wilt by Bacillus amyloliquefaciens IUMC7 isolated from mushroom compost Kou Sotoyama, Katsumi Akutsu, Masami Nakajima J Gen Plant Pathol 82, 105-109 2016/01 1345-2630 10.1007/s10327
  4. (MISC)その他記事 共著 数種の宿主植物から分離したBotrytis cinerea野生株の活性酸素種耐性に関する研究 國府田こごみ・中島雅己・阿久津克己 日本植物病理学会報 81/ 3, 234 2015/08 0031-9473
  5. (MISC)その他記事 共著 トマト萎凋病に対するメチオニンの防除効果とそのメカニズム 齋藤まどか・中島雅己・阿久津克己 日本植物病理学会報 81/ 3, 234 2015/08 0031-9473

研究発表

  1. 口頭発表(一般) L-メチオニンによるトマト斑葉細菌病の抑制効果について 日本植物病理学会大会 2017/04/27
  2. 口頭発表(一般) Botrytis cinereaの病原性発現におけるカタラーゼの役割について 日本植物病理学会大会 2017/04/27
  3. 口頭発表(一般) Bacillus amyloliquefaciens IUMC7のミズナ萎凋病に対する抑制効果について 茨城県病虫害研究会 2016/07/01
  4. 口頭発表(一般) Botrytis cinereaを接種したチューリップおよびソラマメ葉における応答反応 平成28年度日本植物病理学会大会 2016/03/22
  5. 口頭発表(一般) トマトにおけるL-メチオニンによる抵抗性誘導の効果は対象病害によって異なる 平成28年度日本植物病理学会大会 2016/03/22

知的財産権

  1. 特許 プロモーター 196343 2981549号 2981549 1999/09/24

受賞

  1. 日本植物病理学会賞 2006
  2. 日本植物病理学会学生優秀発表賞 タバコの全身獲得抵抗性のアブシジン酸による抑制機構 2006/06/28
  3. 日本植物病理学会学生優秀発表賞 イネ白葉枯病菌のtonB領域と病原性との関係について 2006/06/28
  4. 日本植物病理学会論文賞 2003

担当授業科目

  1. 植物生産科学概論
  2. 生物学(生物学の基礎)
  3. 文明・技術系科目
  4. 農学基礎(食料)
  5. 植物ウイルス学

社会貢献活動

  1. とちぎフードイノベーション推進協議会 2015/04/01-2016/03/31
  2. 文部科学省 地域イノベ‐ション戦略支援プログラム審査委員会,委員,2014年~現在 2014/04/01-2016/03/31
  3. 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業研究課題評価分科会 2014/04/01-2016/03/31
  4. 岐阜県重点研究課題評価委員会 2011/04/01-2013/03/31
  5. 農業・食品産業技術総合研究機構 イノベーション創出基礎的研究推進事業審査専門委員 2009/04/01-2012/03/31

所属学協会

  1. The American Phytopathological Society
  2. 日本植物病理学会
  3. バイオコントロール研究会 1997/04/01-現在
  4. 茨城県病害虫研究会 1982/04/01-現在

委員歴

  1. 日本植物病理学会選挙管理委員会 委員長 2010/04/01-2014/03/31
  2. 日本植物病理学会関東部会 部会長 2010/04/01-2012/03/31
  3. 日本植物病理学会 副庶務幹事長 2004/04/01-2005/03/31
  4. 日本植物病理学会 庶務幹事長 2004/04/01-2005/03/31
  5. バイオコントロール研究会 全国幹事 1997/04/01-現在

共同・受託研究実績

  1. 植物病害に対するメチオニンの防除効果とそのメカニズムに関する研究 2015/04-現在 国内共同研究
  2. 納豆菌を用いた各種イネ種子伝染性病の防除に関する研究 2014/07-現在 国内共同研究
  3. マッシュルームコンポストから分離した細菌によるネギ黒腐菌核病の生物防除に関する研究 2013/03-現在 国内共同研究
  4. 植物ウイルスの媒介昆虫・植物間応答機構の解明と制御技術の開発 2008/04-2010/03 国内共同研究
  5. コンポスト中に生息する微生物を用いた植物病害のバイオコントロール 2008/01-2009/03 国内共同研究

学外教育

  1. 出前授業 遺伝子の運び屋さん(基礎編) 2015
  2. 出前授業 ウイルスのお話 2015
  3. 出前授業 植物と病原菌の攻防 2015
  4. 出前授業 ウイルスのお話 2015
  5. 出前授業 ウイルスのお話 2015

報道出演・資料(DB等)提供

  1. 植物防疫(Plant Protection) 雑誌 2008/09/01
  2. 日本経済新聞 新聞 2008/07/17
  3. c-mail その他 2004/04/01
  4. 茨城新聞 新聞 2002/04/22
  5. 朝日新聞 新聞 1997/07/03