茨城大学
農学部
地域総合農学科

教授

毛利 栄征

モウリ ヨシユキ
MOHRI Yoshiyuki
  • Tel.029-888-8634

プロフィール

  1. (教員からのメッセージ)
    大規模地震による広域多所災害の対応策を地域全体で構築することが重要になってきています。2011年の東北地方太平洋沖地震では、多くのダムとため池にすべり破壊や沈下などの損傷が発生し、決壊した3つのため池では下流の地域が甚大な被害を受けました。このため池の復旧に4年を要するなど、地域の復興には想像以上の時間が必要です。
    レベル2を超える大規模地震に対するダムやため池などの農業土木施設の安全性の照査技術と具体的な対策技術の開発が喫緊の課題です。特に、大規模地震に対する安全性を確認するためには、地震時の堤体材料の特性評価(強度低下と剛性低下)と長い継続時間を考慮することが重要です。
    茨城大学では、実際のため池に用いられている土質材料の特性を試験によって明らかにするとともに、有限要素法を用いた動的応答解析や塑性すべり解析を実施して、ため池堤体の安全性照査を進めています。また、耐震補強技術や越流に強いため池などの対策工法の開発と検証も実施しています。

経歴

  1. 独法 農研機構農村工学研究所・領域長 2010/04/01-2014/10/01
  2. 地域環境科学科 2014/10/01-現在

学歴

  1. 大阪府立大学 農学研究科 修士 1980/03/31 修了

学位

  1. 農学博士 大阪府立大学 1987/12

教育・研究活動状況

ダムやため池、パイプラインなどの農業土木施設(社会基盤施設)の安全性を向上するための研究開発を実施しています。
特に、地震や豪雨によって被災したため池やパイプラインの現地調査などを実施しており、現地調査で得られた減少や被災のメカニズムを実験と数値解析によって検証して、新たな高耐久性施設を構築するための技術開発を実施しています。
東北地方太平洋沖地震や九州北部豪雨災害などの災害対応とともに、農林水産省が策定する施設の「設計基準」などの改定委員会にも参画し、国家基準策定面でも貢献しています。

研究分野

  1. 農業土木学

研究キーワード

  1. 農村地域は食糧生産の場だけでなく、環境や景観、国土保全でも大きな役割を担っています。近年、集中豪雨、洪水や大規模地震などの自然災害が頻発してきています。農村地域のダム、ため池を新技術でつくれば、このような災害を防止することも可能です。 農業用水を蓄えるため池、ダムやそれを農地まで配るための水路、パイプラインの自然災害に対する安全性を,現地調査、模型実験とコンピュータを使った計算により研究しています. 1.ため池の簡易耐震診断技術の開発 2.ため池の地震時挙動に関する数値解析 3.パイプラインの地震時の安全性評価技術の開発

研究テーマ

  1. ため池の簡易耐震診断技術の開発 2014/10-2018/03
  2. 地中構造物の安全性評価・診断技術の開発 地中に埋設されているパイプラインの安全性を定量的に評価するための計測技術を開発するとともに、その評価方法を確立する。 2016/04/01-2020/03/31
  3. 大規模ため池・ダムの地震時挙動と破壊メカニズムの解明 ため池やダムなどの貯水構造物を対象として、大規模地震時の挙動と破壊メカニズムを解明し、安全性を予測する技術開発を実施する。 具体的には、堤体模型の震動実験と弾塑性論に基づく有限要素法による数値シミュレーションを実施する。 2017/04/01-2021/03/31

共同・受託研究希望テーマ

  1. 1.老朽管の更生技術に関する研究開発(計画・募集) (キーワード) パイプライン、更生、補強 産学連携等、民間を含む他機関等との共同研究を希望 共同研究

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 拘束条件が異なる更生管の外水圧による座屈挙動 硲 昌也,間宮 聡,毛利栄征,有吉 充,田中忠次 農業農村工学会論文集 農業農村工学会 87/ 2, I_271-I_280 2019/11 1882-2789 10.11408/jsidre.87.I_271 社会基盤施設の老朽化によって, 当初設計時の期待された機能を発揮できないことで重大な事故や障害に至る事例が増加しており, トンネルやパイプラインに内挿されたパイプが, 外水圧の作用で座屈破壊した事例では, 水利システム全体が機能しなくなるなどの重大な事態に至っている.一般的に既設のトンネルやパイプラインに挿入される更生管は, 中込材の注入によって既設施設内での安定性を確保するが, 中込材の効果やその要求性能は, 十分に解明されていないのが現状である.本論では既設の施設内に設置した更生管を対象として, 外水圧作用下での模型座屈実験を実施し, その突発的な破壊現象を明らかにした.具体的には円形更生管の自由座屈形態ならびに拘束座屈形態の2種類に関する更生管の座屈挙動を確認した.また, 馬蹄形更生管の座屈強度を明らかにした.
  2. 2011年東北地方太平洋沖地震による小規模ダムの破壊メカニズムと強化復旧に関する考察 田中忠次,龍岡文夫,毛利栄征,松浦正一 ,三浦亨 LARGE DAMS大ダム 日本大ダム会議 246, 79-88 2019/01
  3. 研究論文(学術雑誌) 共著 ため池堤体の石積みブロック補強に関する遠心振動実験と解析的検討 王 博涵, 田頭 秀和, 泉 明良, 毛利 栄征, 田中 忠次 ジオシンセティックス論文集 国際ジオシンセティックス学会 日本支部 33/ 0, 167-174 2018/12 1344-6193 https://doi.org/10.5030/jcigsjournal.33.167 URL 本研究ではため池を対象として,その法先部によく用いられる石積みブロックと補強土工法の併用(以降,石積みブロック補強)による老朽ため池の耐震補強手法の有効性の解明を目的として,遠心模型実験と動的応答解析を実施した.遠心模型実験では無補強堤体と石積みブロック補強堤体の動的挙動について検討した.有限要素法による弾塑性動的応答解析では,実験で得られているすべり面の位置や堤体の沈下量振動特性について検討し,補強部分の効果を明らかにした。その結果,石積ブロックとその背面の補強ネットによって堤体法先部の安定性が向上するため,堤体上部の破壊が抑制され,全体としての堤体変形抑止に効果があることが分かった.
  4. (MISC)総説・解説(国際会議プロシーディングズ) 共著 A new simplified seismic stability analysis taking into account degradation of soil undrained stress-strain properties and effects of compaction A.Duttine,F.Tatsuoka,T.Shinbo,Y.Mohri Validation of Dynamic Analyss of Dams and Their Equipment 1, 215-234 2018/09
  5. 研究論文(国際会議プロシーディングス) Soil properties and seismic stability of old and new Fujinuma dams F.Tatsuoka,T.Tanaka,K.Ueno,A.Duttine,Y.Mohri Validation of Dynamic Analyss of Dams and Their Equipment CRC Prss 1, 119-170 2018/09

研究発表

  1. 口頭発表(一般) 大口径パイプラインの周方向ひずみ計測と施設状態評価 第68回農業農村工学会関東支部大会講演会 2017/11
  2. 口頭発表(一般) 佐原砂のブレンドによる粘性土材料の力学性質の改善 平成29年度 農業農村工学会大会講演会 2017/08
  3. 口頭発表(一般) 強化プラスチック複合管の長期性能評価 平成29年度 農業農村工学会大会講演会 2017/08
  4. 口頭発表(一般) 現場硬化型更生管の設計値と物性試験値の比較 平成29年度 農業農村工学会大会講演会 2017/08
  5. 口頭発表(一般) 現場硬化型更生管の低温硬化特性に関する検討 平成29年度 農業農村工学会大会講演会 2017/08

受賞

  1. 優秀報文賞 海岸堤防の高さに関わる合意形成の新たなかたち 2015/07/12

所属学協会

  1. 地盤工学会 1980/05-現在
  2. 農業農村工学会 1978/02-現在

委員歴

  1. 独法)水資源機構 水資源機構契約監視委員会 委員 2019/12/13-2020/12/12
  2. 独法)水資源機構 水資源機構工事等評定審査委員会 2019/11/24-2021/12/07
  3. 一般財団法人 日本水土総合研究所 土地改良事業計画設計基準パイプライン改定委員会 委員 2019/08/01-2020/03/31
  4. 香川県 香川県ため池耐震化整備検討委員会 委員長 2019/05/08-2021/05/11
  5. 茨城県農林水産部 茨城県農林水産部総合評価委員会 2019/04/25-2021/03/31

共同・受託研究実績

  1. 開水路及び背面地盤の安定性に関する研究 2018/01-2020/03 国内共同研究
  2. パイプラインにおける長期強度を考慮した設計手法の開発 2017/12-2020/03 国内共同研究
  3. 農業用パイプラインの基礎材の種類と締固め程度に関する研究開発 2016/08-2018/03 国内共同研究
  4. 農業用管水路の仕様に適した現場硬化型・形成型更生工法の開発に関する研究 2016/03-2019/03 国内共同研究
  5. 泥炭地等超軟弱地盤における農業用パイプラインの安全性向上技術に関する研究開 発 2015/07-2018/03 国内共同研究