茨城大学
教育学部
学校教育教員養成課程 教科教育コース 社会科教育教室

特任教授

甲斐 憲次

カイ ケンジ
Kai Kenji

プロフィール

  1.  私は過去30数年間、名古屋大学、気象庁、筑波大学で気象と大気環境に関わる研究・教育・行政に携わってきました.地球環境問題が顕在化するにつれて、人間活動と大気環境の相互作用に興味を持ち始めています。
     教育に関しては、自然地理学、特に気候学を中心に授業を行っています。研究では、アジアの乾燥地域で発生する黄砂やバイオエアロゾルの輸送、その環境影響を研究しています。

経歴

  1. 筑波大学 水理実験センター 文部技官・準研究員 1981/04/01-1984/03/31
  2. 気象庁 観測部産業気象課 運輸技官・技術主任 1984/04/01-1986/03/31
  3. 気象庁 気象研究所・気象衛星観測システム研究部 主任研究官 1986/04/01-1989/03/31
  4. 筑波大学 地球科学系 講師 1989/04/01-1998/03/31
  5. 東京都 環境科学研究所 非常勤研究員(環八雲の研究) 1993/04/01-1993/09/30
  6. 名古屋大学 大学院・人間情報学研究科 助教授 1998/04/01-2001/03/31
  7. 名古屋大学 大学院・環境学研究科 教授 2001/04/01-2018/03/31
  8. 中国科学院 新疆生態地理研究所 客員教授 2014/04/01-2015/03/31
  9. 茨城大学 教育学部 特任教授 2018/04/01-現在

学歴

  1. 東京教育大学 理学部 地学 その他 1975/03/31 卒業 日本
  2. 東京教育大学 理学研究科修士課程 1977/03/31 修了
  3. 筑波大学 地球科学研究科 地理学水文学 博士 1981 修了 日本

学位

  1. 理学博士 筑波大学 1981/03

教育・研究活動状況

1) 教育活動 
茨城大学教育学部・教育学研究科で、自然地理学の授業を担当しています。授業科目は、学部では「自然地理学概論」、「自然地理学特講」、「茨城の風土と生活」、「自然地理学演習」、大学院では「自然地理学特論」等です。
2) 研究活動
 ゴビ砂漠やモンゴル草原で発生する黄砂やバイオエアロゾルの輸送、その環境影響を次の科研費で研究しています。
①2016-2019年度科学研究費・基盤研究(A)海外学術調査「発生源地域におけるアジアダストと環境レジームシフトの国際共同研究」No.16H02703(研究代表者)
②2017-2019年度科研費・基盤研究(A)海外学術調査「東アジア沙漠地帯における黄砂バイオエアロゾルの発生過程とその越境輸送ルートの解明1」17H01616(研究分担者)

研究分野

  1. 気象・海洋物理・陸水学
  2. 地理学
  3. 環境動態解析

研究キーワード

  1. 黄砂,砂漠化,乾燥地域の気候, 都市気候,局地循環,大気境界層ライダー

研究テーマ

  1. 発生源地域におけるアジアダストと環境レジームシフトの国際共同研究 英語 2016/04/01-2020/03
  2. 東アジア沙漠地帯における黄砂バイオエアロゾルの発生過程とその越境輸送ルートの解明 黄砂や煙霧とともに微生物群(バイオエアロゾル)がアジア大陸から日本へ風送され,その環境影響に学術的関心が集まっている。しかし,黄砂の主要発生源であるゴビ沙漠(モンゴル:蒙)での調査は手薄であるとともに,沙漠由来の風送微生物と汚染大気との混合状態についても不明な点が多い。本申請では,日中韓蒙で,ゴビ砂漠を含めた東アジアを網羅する集中観測を行い,大気微生物の発生源と越境輸送ルートを理解する伴に,生理学実験・疫学的調査によって,その生態・健康影響の解明に取り組んでいる。 2017/04/01-2020/03/31
  3. 環八雲の観測とモデル化に関する研究 研究課題 環八雲は,よく晴れた夏の日の午後,東京都区部の西側を南北に走る環状八号線付近上空に出現する積雲列である.環八雲はその特異な形から,大気汚染との関わりについて,東京都議会で取り上げられ,マスコミにもしばしば報道された.研究代表者はまず,最初に南関東の自治体(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)による都市気候資料を収集・解析し,環八雲の形成機構を推定した.次いで,東京都立大学工学部,東京商船大学,東京都環境科学研究所,気象庁気象研究所の協力を得て,1995-1997年8月上旬,東京都の江東区,世田谷区,八王子市でライダーネットワーク観測を実施し,環八雲とその背景にある東京の大気環境の空間構造を解明しようとした.この間,人口密集地での安全なライダー観測ため,石川島播磨重工業k.k.光プロジェクト部と共同して,目に安全なレーザーを光源とする可搬型境界層ライダーを開発した.1996年には念願の航空機観測を実施した.このような総合観測の結果を基に,環八雲のモデリングを行った. 1995/04/01-1998/03/31

共同・受託研究希望テーマ

  1. 発生源地域におけるアジアダストと環境レジームシフトの国際共同研究 大学等の研究機関との共同研究を希望
  2. 冬季ウランバートルにおける高濃度PM2.5汚染の研究 モンゴルの首都・ウランバートルは、ソ連の解体以後、経済体制の変化と都市化に伴って 極端な人口集中を経験した。1990年に56万人であったウランバートル市の人口は、2018 年 には150万人近くに達し、モンゴル全人口の約半分を占めるようになった。さらに、ゲルと 呼ばれる移動式住居の無計画な拡大と自動車の爆発的な増加により、さまざまな環境問題が 生じている。 その中でも、冬季の高濃度PM2.5汚染は、世界保健機関(WHO)が警告を出すほど健康影 響が深刻であり、その解決が急がれる。ウランバートルは、都市規模が北京の10分の1以下 であるにもかかわらず、冬季ピーク時のPM2.5濃度は北京の5倍以上となる。なぜ、このよう な高濃度PM2.5汚染が生じるのであろうか。 本研究では、平成26-28年度JSPS研究拠点形成事業(コーディネーター:甲斐)で構築し たモンゴルの研究機関とのネットワークを活用して、ウランバートルの大気環境に関する現 地観測と既観測データの収集を行い、数値モデルを用いて高濃度PM2.5汚染の動態とそのメ カニズムを解明することを目的とする。さらに、研究成果に基づく大気汚染対策をウランバ ートル市に提案し、現在あるいは今後、途上国の都市で生じる大気汚染問題の解決に貢献し たい。 (本 産学連携等、民間を含む他機関等との共同研究を希望 共同研究
  3. 伊勢湾 濃尾平野系の大気環境に関する研究 大学等の研究機関との共同研究を希望

競争的資金等の研究課題

  1. 東アジア沙漠地帯における黄砂バイオエアロゾルの発生過程とその越境輸送ルートの解明 科研費 基盤研究(A) 2017/04/01-2020/03/31
  2. 発生源地域におけるアジアダストと環境レジームシフトの国際共同研究 科研費 基盤研究(A)、課題番号:16H02703 (独)日本学術振興会 基盤研究(A) 2016/04/01-2020/03/31 近年、アジア内陸部の砂漠化とアジアダスト(黄砂)の発生、それらと共に飛来するバイオエ アロゾルやPM2.5 などが国際的な環境問題を引き起こしている。本研究の目的は、モンゴルと中 国の研究機関と共同して、アジアダストの発生とそれに関わる環境レジームシフトのメカニズム を解明することである。本研究では、大気圏・土壌圏・水圏・生態系の準不可逆的な変化を環境 レジームシフトと呼ぶ。新たな試みとして、バイオエアロゾルを環境レジームシフトのマーカー として用いる。現在進行中のJSPS 研究拠点形成事業「アジアダストと環境レジームシフトに関す る研究拠点の構築」(甲斐憲次)で整備した研究拠点ネットワークを活用し、発生源地域のモンゴ ル草原・ゴビ砂漠・タクラマカン砂漠および風下側の北海道・能登半島等で集中観測を実施する。
  3. アジアダストと環境レジームシフトに関する研究拠点の構築 科研費以外 JSPS研究拠点形成事業 JSPS 2014/04/01-2017/03/31 本申請の第1の目標は、モンゴル気象環境監視庁気象水文環境研究所と共同して、アジアダストの発生とそれに関わる環境レジームシフトの研究拠点を構築することである。名古屋大学は、実施主体として、解析トレーニング・セミナー・国際シンポジウムを開催する。名古屋大学と国立環境研究所は、モンゴルの拠点機関とアジアダスト発生機構の共同研究を行う。酪農学園大学は、環境レジームシフトに関わる生態学・病理学的調査を中心に行う。第2の目標は、将来構想として、中国の研究機関を取り込んだ形で、モンゴル草原+ゴビ砂漠+タクラマカン砂漠を含む研究ネットワークを構築することである。最終年度は、サハラダストの研究者(欧米)も招へいして、ダスト発生と環境レジームシフトに関する国際シンポジウムを開催する。
  4. 黄砂とサハラダストの比較研究ーダストフラックスの推定と気候への影響ー 科研費 基盤研究(B) (独)日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 2012/04-2015/03 本研究では、日本・中国・ドイツの研究者が現地観測ー衛星リモートセンシングーモデリング分野の最新の研究成果を融合し、ダストフラックスの推定および放射強制力などの気候影響について比較研究を行う。
  5. タクラマカン砂漠上の局地循環と黄砂の発生機構の解明 科研費 基盤研究(B),課題番号:20403008 (独)日本学術振興会 科学研究費補助金 基盤研究(B) 2008/04-2011/03 科学研究費補助金(基盤研究(B)海外学術調査): 本研究の目的は、タクラマカン砂漠を取り巻く3次元地形と中央アジアという地理的位置に起因する局所な特性を解明し、それが東アジア域での黄砂の長距離輸送にどのように関わっているかを解明することである。この目的を達成するため、現地ライダー観測・衛星観測・数値シミュレーションという手法を総合化し、研究を推進する。

著書

  1. 変動する黄砂、『気候変動の事典』、山川修治・常盤勝美・渡来靖編、朝倉書店 甲斐憲次、武靖 朝倉書店 2017/12/15 978-4-254-16129-8
  2. 二つの温暖化ー地球温暖化とヒートアイランドー 甲斐憲次 編著 293 成山堂書 2012/03/28 本書は、二つの温暖化、つまり地球温暖化とヒートアイランドの両方を最新の知見に基づいて、領域横断的に概観しようとするものです。
  3. アジアの砂塵ー黄砂ー、アサヒ・エコ・ブックス『地球変動研究の最前線を訪ねる』及川武久・陽 捷行・小川利紘編集 甲斐 憲次 368-383 清水弘文堂書房 2010/02 まず、黄砂の基礎知識(現象、発生条件、環境問題など)を整理して、解説する。次いで、タクラマカン砂漠でのフィールド観測の成果を取り上げ、黄砂研究の最前線を解説した。
  4. 黄砂、朝倉世界地理講座『北東アジア』、岡洋樹・境田清隆、佐々木史郎 編集 甲斐 憲次 71-90 朝倉書店 2009/11 黄砂の定義、最近の発生傾向、アジア大陸内陸部での観測結果、黄砂の予報、地球環境との関わりを解説したものである。
  5. 電子顕微鏡を用いた個別の粒子分析、『黄砂』、岩坂泰信・西岡雅高・山田丸・洪天祥編集 岡田菊夫、甲斐憲次 87-100 古今書院 2009/07 中国のゴビ砂漠やタクラマカン砂漠で採取した黄砂の性状を電子顕微鏡で調べたもの。

論文

  1. 研究論文(学術雑誌) 共著 Aeolian dispersal of bacteria associated with desert dust and anthropogenic particles over continental and oceanic surfaces Maki,T., K. C. Lee, K. Kawai, K. Onishi, C. S. Hon, Y. Kurosaki, M. Shinoda, K. Kai, Y.Iwasaka, S. Archer, D. Lacap-Bugler, H. Hasegawa, S.B. Pointing Journal of Geophysical Research: Atmospheres American Geophysical Union (AGU) 2019/04/19 10.1029/2018JD029597
  2. (MISC)総説・解説(学術雑誌) アジアダストと環境レジームシフトに関する国際共同研究 甲斐憲次 科学 岩波書店 89/ 2, 148-150 2019/02
  3. 研究論文(学術雑誌) Northeast Asian dust transport: A case study of a dust storm event from 28 March to 2 April 2012 Purevsuren Tsedendamba, Jugder Dulam, Kenji Baba, Katsuro Hagiwara, Jun Noda, Kei Kawai, Ganzorig Sumiya, Christopher McCarthy, Kenji Kai, Buho Hoshino Atmosphere MDPI 10/ 69, 1-16 2019/02 10.3390/atmos10020069
  4. Ceilometer observation of a dust event in the Gobi Desert on 29-30 April 2015: Sudden arrival of a developed dust storm and trapping of dust within an inversion layer Kei Kawai, Yuta Nishio, Kenji Kai, Jun Noda, Erdenebadrakh Munkhjargal, Masato Shinoda, Nobuo Sugimoto, Atsushi Shimizu, Enkhbaatar Davaanyam, Dashdondog Batdorj SOLA 日本気象学会 15, 52-56 2019/01/24 1349-6476 10.2151/sola.2019-011
  5. 研究論文(学術雑誌) 共著 Detection of dry lake beds formation and estimate of environmental regime shift in semi-arid region Hoshino, B., Y. Sofue, Y. Demura, T. Purevsuren, M. Kubibayashi, K. Baba, E. Zoliargal, K. Hagiwara, J. Noda, K. Kawano, O. Karthaus, K. Kai 日本沙漠学会誌 日本沙漠学会 28, 109-113 2018/12/25 0917-6985 10.14976/jals.28.S_109

研究発表

  1. 口頭発表(一般) Horizontal and vertical structure of large-scale dust events in East Asia – Analyses of HIMAWARI-8 Dust RGB, CALIOP, and ground-based observations 29th International Laser Radar Conference 2019/06/27
  2. 口頭発表(一般) モンゴル草原とゴビ砂漠におけるマイクローメソスケールのダストストームの発生:植生と地形との関係 日本地球惑星科学連合2019年大会 2019/05/31
  3. 口頭発表(一般) ひまわり8号Dust RGB画像を用いた ダスト現象の解析 日本気象学会春季大会 2019/05/15
  4. 口頭発表(一般) Large-scale dust event in East Asia, as revealed by the Himawari-8 DUST RGB, lidar network observations, and field survey Central Asian Dust Conference 2019/04/08
  5. 口頭発表(一般) 中国内モンゴル自治区・ホルチン砂地でのアジアダストの発生と環境変遷 日本地理学会春季大会 2019/03/20

担当授業科目

  1. 自然地理学特講
  2. 自然地理学概論
  3. 自然地理学特論
  4. 自然地理学演習

社会貢献活動

  1. 愛知県社会福祉協議会「あいちシルバーカレッジ」 2004-2004 退職された社会人(おおよそ65歳以上)を対象に、「地球の環境を守る」と題した2時間の講義を3回、行う。会場は、愛知県社会福祉会館と東海市保健福祉センターである。

所属学協会

  1. 日本気象学会
  2. 日本地理学会
  3. 日本沙漠学会
  4. American Meteorological Society
  5. American Geophysical Union

委員歴

  1. 日本沙漠学会 編集委員 2016/04/01-現在
  2. 日本農業気象学会 編集委員 1984/04/01-1986/03/31
  3. 日本気象学会 「天気」編集委員 1981/04/01-1997/03/31